こんにちは!弁理士のオムレツです。

《この記事を読んで欲しい人》
・アイデアを思いついた人
・それらが特許になるかを無料で簡単に知りたい人

《この記事を読んで欲しい人》
・アイデアを思いついた人
・アイデアが特許になるかを無料で簡単に知りたい人
この記事では、
「自分のアイデアって特許になるの?」「特許申請(=出願)する前に特許になるかどうかの目安を知りたい、、」
そんな方に向けて、「ChatGPT(無料版)」を使って、アイデアの特許性をチェックする『AI特許性判断術』をご紹介します!
従来、数万円〜数十万円+1〜2週間かかっていたものを無料版AI+10分でカンタンに出来るようになりますので、ぜひご活用ください!
(※この記事では、一例として無料版ChatGPTでやり方をご紹介しますが、他の無料AIでも同じようなやり方で判断可能です!)
※なお、商標版(AI商標登録性判断術)についてはこちら↓
『AI特許性判断術』とは?
AI特許性判断術とは、AI(今回はChatGPTの無料版)を活用して、自分のアイデアが特許になる可能性を事前にチェックする方法です。
この方法により、
◆ 特許事務所に不必要に特許相談することを防ぐことができ、費用と時間を節約できる。
→ 従来は、特許事務所に依頼して数万円〜数十万円+1〜2週間かけていた「特許になるかどうか」の判断を、AIに聞くだけで無料+10分で確認できるようになりました。
◆ 費用対効果の高い特許が取得できる可能性があがる。
→ ユーザーがAIを活用して「特許になるかどうか」を判断するため、ユーザー自身がアイデアの『どの部分』に特許が認められるのかを正確に把握することができ、将来的な特許活用のイメージが湧きやすくなる。
もちろん、専門知識がなくても簡単に「特許になるかどうか」の確認が可能です!
これが『AI特許性判断術』!
1|やり方(各手順)
まずは、OpenAIが提供する「ChatGPT(無料版)」にアクセスしましょう。
ログイン(もしくはアカウント登録)すれば、すぐにChatGPTを使い始められます。
ChatGPTに入力する前に、自分のアイデアを簡単にまとめておきましょう。 以下のような形式で整理しておくとスムーズです。
<整理のポイント>
- 【困っていること】:どのような困りごとを解決するのか
- 【解決の仕組み】:その困りごとをどうやって解決するのか
- 【特徴】:他と違うちょっとした特徴
「困っていること」とは、業務等で直面する困りごと。 「解決の仕組み」は、それに対してあなたのアイデアがどう対応するか、という意味です。 難しく考えず、「◯◯で困っている→△△で解決する」といった流れで整理すればOKです。
ChatGPTに以下のようなプロンプトを入力してみましょう。
以下のアイデアが特許になる可能性はありますか?
【困っていること】:スマホを顔に近づけすぎて視力が低下する。
【解決の仕組み】:1時間ごとに「休憩しましょう」と通知を出す。
【特徴】:一定時間ごとの自動通知。
このように入力すると、ChatGPTが「特許になる可能性があります」や「ありふれた内容で難しそうです」などの回答をくれます。
ChatGPTの最初の回答だけで判断するのではなく、さらに質問を重ねていくのがポイントです。
< やり取りの例 >
※具体的な方法については、下記の「ChatGPTへの指示文(プロンプト)の例 & 2つの意識すべき点」・「実際に『特許になるかどうか』確認してみた」に記載しています。
ユーザー:「どのような内容を追加すれば特許として認められやすくなりますか?」
ChatGPT:「たとえば遠隔で制御できる機能を追加するなどが考えられます。」
ユーザー:「例えば、スマホで制限時間を設定できる機能を加えるとどうですか?」
ChatGPT:「その機能の連携によって、特許になる可能性が高まります。」
そして、最終的にChatGPTが「その内容なら特許になる可能性があります」と評価したら、そのアイデアで特許事務所に特許出願の相談をするのが適していると考えられます。
2|ChatGPTへの指示文(プロンプト)の例 & 2つの意識すべき点
ChatGPTへの指示文(プロンプト)の例
【困っていること】・【解決の仕組み】・【特徴】の3点を記載してください。
以下のアイデアが特許になる可能性はありますか?
【困っていること】:スマホを顔に近づけすぎて視力が低下する。
【解決の仕組み】:1時間ごとに「休憩しましょう」と通知を出す。
【特徴】:一定時間ごとの自動通知。
2つの意識すべき点
《1》 ChatGPTと『何度も』やり取りをする。
1回の長文で伝えるのではなく、複数回の短文で伝えることを意識。
→ 繰り返しやり取りすることで、こちらの状況を学習させ、最適解を導かせるため。
《2》『作れそう・売れそう』の範囲を超えない。
アイデアの特徴をAIに伝える際には、常に『実際に作れそう』か、作れたとして『実際に売れそう』かを意識。
→ 『特許になる』という判断を得るために、「作れない・売れない」内容を特徴とすると、本末転倒になってしまうため。
※なお、ここでの「作れそう・売れそう」は「現在」のみでなく「将来(3〜5年後)」実現できるかも含めて判断すべきです。一般的に、特許は出願してから3〜5年後で取得できるため、現在出来なくても将来(3〜5年後)実現可能であれば十分に特許取得しておく価値があると考えられるからです。
3|実際に『特許になるかどうか』を確認してみた
実際に『視力低下を防止するスマホ機能(アプリ)』を例に判断してみましょう!



以下のアイデアが特許になる可能性はありますか?
【困っていること】:スマホを顔に近づけすぎて視力が低下する。
【解決の仕組み】:1時間ごとに「休憩しましょう」と通知を出す。
【特徴】:一定時間ごとの自動通知。



これは一般的な仕組みであり、多くの既存アプリに実装されています。そのため、特許として認められる可能性は低いと思われます。
(1)他に特徴はありませんか?
(2)私から特許になりそうな特徴をいくつか提案しましょうか?



(1)〇〇という特徴があります。どうですか?
(2)それは技術的に難しそうで、自分のアプリでは対応できない(あるいは、対応できても需要ないから必要ない)かも…
他の特徴を提案してくれませんか?



(1)〇〇も一般的な仕組みであるため可能性は低いです。
(2)たとえばユーザーの表情から疲労度を推定し、状況に応じて通知頻度を変える仕組みを導入するのはどうですか?



(1)そうですか、では△△はどうですか?
(2)それは技術的に難しそうで、自分のアプリでは対応できない(あるいは、対応できても需要ないから必要ない)かも…。他の特徴を提案してくれませんか?
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(1)・(2)を確認するやり取りを繰り返し行い、
最終的に 【A】 or 【B】 へ
【A】「特許になる可能性が高い」と判断されるケース
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例えば、距離センサーで顔との距離を測定し、近すぎると画面を自動でぼかす機能を追加するのはどうですか?



そのアイデアは、技術的に具体的な構成要素が含まれており、他の既存アプリとの異なるポイントも明確です。そのため、特許として認められる可能性があると考えられます。
→ このように、特徴を加えた結果、それが実際に「作れそう」、且つ、「売れそう」であり、ChatGPTが「特許として認められる可能性がある」と判断したのであれば、『特許になる可能性が高い』という結論になります。
【B】「特許になる可能性が低い」と判断されるケース
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・



これ以上、他には特徴がない上、提案してもらった内容はどれも自分のアプリでは実装できないです、、



私もこれ以上は限界です、、
→ このように、特徴を加えていっても、AIが「特許になる可能性が高い」と判断する前に、作れなさそう、あるいは、売れなさそう場合は、『特許になる可能性は低い』という結論になります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
この「AI特許性判断術」を使えば、出願前にアイデアを整理でき、特許事務所に不必要に特許相談をしてしまう等の事態を防ぐと同時に、費用対効果の高い特許取得にもつながります。
重要なのは、AIとユーザーが上のようなやり取りを繰り返した結果、
「作れそう・売れそう」であって、且つ、AIが「特許性あり」と判断した。
→ 『特許になる可能性が高い』
AIが「特許性あり」と判断する前に、「作れなさそうor売れなさそう」となった。
→ 『特許になる可能性が低い』
それでもやっぱり「特許になるかどうか分からない」という場合は、お気軽にお問い合わせフォームよりご相談ください。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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