こんにちは!弁理士のオムレツです。

《この記事を読んで欲しい人》
・ブランド、ロゴを考えた人
・それらが商標登録されるかを無料で簡単に知りたい人

《この記事を読んで欲しい人》
・ブランド、ロゴを考えた人
・アイデアが商標登録されるかを無料で簡単に知りたい人
この記事では、
「自社のブランドやロゴって商標登録されるの?」「商標申請(=出願)する前に商標登録されるかの目安を知りたい、、」
そんな方に向けて、「ChatGPT(無料版)」を使って、ブランド・ロゴの商標登録性をチェックする『AI商標登録性判断術』をご紹介します!
従来、数万円+1週間かかっていたものを無料版AI+10分でカンタンに出来るようになりますので、ぜひご活用ください!
(※この記事では、一例として無料版ChatGPTでやり方をご紹介しますが、他の無料AIでも同じようなやり方で判断可能です!)
※なお、特許版(AI特許性判断術)についてはこちら↓


そもそも商標とは?
商標とは、簡単にいうと、商品やサービスが「どこのものか」を見分けるためのマークや名前のことです。
例えば、「NIKEのスウッシュマーク」などが商標です。これらは、ロゴを見ただけで、「この靴はナイキのものだ!」と分かりますよね。
このように、他の会社と区別できるようにすることで、消費者が安心して選べるようにするのが商標の目的です。さらに、商標は特許庁に出願して登録すると、同じような名前やマークを他人に勝手に使われないようにすることができます。
『AI商標登録性判断術』とは?
AI商標登録性判断術とは、AI(今回はChatGPTの無料版)を活用して、自社のブランド・ロゴが商標登録される可能性を事前にチェックする方法です。
これにより、 従来、特許事務所に依頼して数万円+1週間程度かけていた「商標登録されるかどうか」の判断を、AIに聞くだけで無料+10分で確認できるようになりました。
もちろん、専門知識がなくても簡単に「特許になるかどうか」の確認が可能です!
これが『AI商標登録性判断術』!
1|やり方(各手順)
まずは、OpenAIが提供する「ChatGPT(無料版)」にアクセスしましょう。
ログイン(もしくはアカウント登録)すれば、すぐにChatGPTを使い始められます。
早速、ChatGPTに以下のようなプロンプトを入力してみましょう。
ここでは「もちっこチップス」という商標を例としています。
(調べたい商標にあわせて「もちっこチップス」の部分は修正してください、それ以外のプロンプトは同じで問題ありません)
あなたは日本の弁理士です。「もちっこチップス」という名前の商標が、日本で商標登録できるかどうかを、小学生でもわかるように、やさしく説明してください。《※》
【お願いしたいこと】
・日本で似たような名前の商標がすでに登録されていないか、調べて教えてください。
・この名前が「よくある言葉」「説明的すぎる言葉」になっていないか、独自性があるかどうかも教えてください。
・上記を踏まえて、登録できそうかどうかをやさしく教えてください。
・もし登録が難しそうな場合は、「どう変えたら登録できそうか」を、具体例を交えていくつか提案してください。
《※》名前だけでなく、図形やロゴを含む商標を確認したい場合には、その商標の画像をChatGPTに添付させた上で下記のようにプロンプトを修正してください。もし、商標中に文字が含まれる場合には、なお書きも加えてください。
あなたは日本の弁理士です。添付の商標が、日本で商標登録できるかどうかを、小学生でもわかるように、やさしく説明してください。なお、商標中の文字部分は「もちっこチップス」です。
ちなみにChatGPTの場合は↓から画像を添付できます。


ChatGPTの最初の回答だけで判断するのではなく、さらに質問を重ねていくのがポイントです。
< やり取りの例 >
※具体的なやり取りについては、下記の「ChatGPTへ指示する前に決めておくべき「たった1つの優先事項」」・「実際に『商標登録にされるかどうか』を確認してみた」に記載しています。
ユーザー:「出来るだけ図形やロゴは加えたくないです。」
ChatGPT:「それでは、例えば、『MOCHIPPIE』などはどうでしょうか?」
ユーザー:「『MOCHIPPIE』であれば、登録できそうですか?」
ChatGPT:「はい、登録可能性は高いです」
このように、最終的にChatGPTが「その商標であれば登録になる可能性があります」と評価したら、その商標で特許事務所に商標出願の相談をしに行くのが良いと考えられます。
(なお、商標の区分(=どの製品・サービスに使うのかを分類したラベル)が違えば、名前が似ている商標があっても登録できる場合がありますが、一度に説明するとややこしいため、今回は省略します)
ちなみに、出来るだけ費用をかけず商標出願したい方は、特許事務所に頼らず、1人で商標出願する方法を下に載せていますので、もし宜しければご覧ください!(※ 申し訳ございませんが現在作成中のため今暫くお待ちください)
2|ChatGPTへ指示する前に決めておくべき「たった1つの優先事項」
それは、『名前は変えたくない』を優先するか、『図形を加えたくない』を優先するかです。
まず、それぞれのメリット・デメリットを整理してみましょう。
(1)『名前を変えたくない』(=文字部分は変えないが図形を加えてもよい場合)
・メリット:商標登録されやすい(例:図形を加えることで違いが出しやすい)
・デメリット:権利範囲が狭い(例:図形部分を変えられることで、文字部分は同じであるのにも関わらず簡単に真似されてしまう)
(2)『図形を加えたくない』(=図形を加えたくないが文字部分は変えてもよい場合)
メリット:権利範囲が広い(例:文字部分が同じであれば、図形はあろうとなかろうと基本的に攻撃可能)
デメリット:商標登録されにくい(例:登録できない場合には基本的には違う文字にするしかない)
そのため、基本的には、下のように判断するのが良いと思います。
「今から名前を変えることが厳しい場合(例:既に商品を販売している場合)』→『名前を変えたくない』を優先
「今から名前が変えても問題ない場合(例:これから商品を売り出す場合)』→『図形を加えたくない』を優先
次に、それぞれの場合、どのようなプロンプトを追加するかを考えてみましょう。
(1)『名前を変えたくない(図形を加えても良い)』を優先する場合
文字部分は変えずに、図形を足して登録したいです。可能であればいくつか案を挙げてください。そして、案をラフスケッチで良いので作成してください。
(2)『図形を加えたくない(文字部分は変えても良い)』を優先する場合
図形やロゴは加えず、出来るだけ「標準文字商標」として登録したいです。可能であればいくつか案を挙げてください。
このように、個々の優先度にあわせたプロンプトを入力することで、ChatGPTがより自分に合った適切な商標を提案してくれます!
3|実際に『商標登録されるかどうか』を確認してみた
実際に『もちっこチップス』を例に判断してみましょう!



あなたは日本の弁理士です。「もちっこチップス」という名前の商標が、日本で商標登録できるかどうかを、小学生でもわかるように、やさしく説明してください。
【お願いしたいこと】
・日本で似たような名前の商標がすでに登録されていないか、調べて教えてください。
・この名前が「よくある言葉」「説明的すぎる言葉」になっていないか、独自性があるかどうかも教えてください。
・上記を踏まえて、登録できそうかどうかをやさしく教えてください。
・もし登録が難しそうな場合は、「どう変えたら登録できそうか」を、具体例を交えていくつか提案してください。



① 似たような名前の商標がすでに登録されていないか?
まず、「もちっこチップス」と似た名前がすでに商標登録されていないかを調べました。
「もちっこ」や「もちっ娘」といった名前は、すでにいくつかの会社が商標登録しています。
「もちっこ」:
昭和産業株式会社(登録番号:6487764)
アールアンドスポーツディベロップメント株式会社(登録番号:6142732)
「もちっ娘」:
個人(登録番号:6063708)
これらは、食品やお菓子などの分野で登録されています。
また、「チップス」という言葉も、他の商標で使われている可能性がありますが、一般的な言葉であるため、単独では商標登録が難しい場合があります。
② この名前が「よくある言葉」「説明的すぎる言葉」になっていないか、独自性があるか?
「もちっこチップス」という名前を見てみましょう。
「もちっこ」:
「もち」は日本のお餅を指す言葉で、一般的な食品の名前です。
「っこ」は親しみを込めた言葉の終わり方で、よく使われます。
全体として、「もちっこ」は「お餅のようなもの」という意味合いになります。
このため、独自性はあまり高くないと考えられます。
「チップス」:
これは、ポテトチップスなどのスナック菓子を指す一般的な言葉です。
説明的すぎるため、商標としての独自性は低いです。
全体として、「もちっこチップス」は、商品を説明する言葉が多く、独自性が低いと判断される可能性があります。
③ 登録できそうかどうか?
上記の点を踏まえると、「もちっこチップス」という名前は、すでに似た商標が存在し、また、一般的な言葉や説明的な言葉が含まれているため、商標登録が難しい可能性があります。
特に、食品やお菓子の分野での登録は、他の商標との類似性や独自性の低さから、拒絶される可能性が高いです。
④ どう変えたら登録できそうか?(具体例)
商標登録を目指す場合、以下のような工夫をすると、登録の可能性が高まります:
造語を使う:全く新しい言葉を作ることで、独自性を高めます。
例:「モチリーナ」「チップモチ」
意味のない言葉を組み合わせる:既存の言葉を組み合わせて、新しい響きを作ります。
例:「モチップ」「チッコモ」
外国語を取り入れる:他の言語の言葉を使って、独自性を出します。
例:「もちっこデリシャス」「チップス・モチ」
これらの方法で、他の商標と区別される独自の名前を作ることができます。
次に (1) or (2) へ
(1)『名前を変えたくない(図形を加えても良い)』を優先する場合



文字部分は変えずに、図形を足して登録したいです。可能であればいくつか案を挙げてください。そして、案をラフスケッチで良いので作成してください。



こんなのはいかがでしょうか?
→ 「もちっこチップス」という文字部分は変わっていない商標案を出してもらうことが出来ました!
なお、「AIが作成した商標の著作権は大丈夫?(自分のものとして申請していいの?)」と気になった方は、是非下の記事を読んでみてください(※ 申し訳ございませんが現在作成中のため今暫くお待ちください)。
先に結論をお伝えしておきますと、現時点(2025年5月)でChatGPTで作成した商標であれば「問題ありません」!
(2)『図形を加えたくない(文字部分は変えても良い)』を優先する場合



図形やロゴは加えず、出来るだけ「標準文字商標」として登録したいです(文字はコンセプトが変わらなければ多少変えても問題ありません)。可能であればいくつか案を挙げてください。



こんなのはいかがでしょうか?
→ 図形は加えずに、「もちっこチップス」に近いコンセプトの商標案を出してもらうことが出来ました!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
この「AI商標登録性判断術」を使えば、特許事務所に相談することなく登録可能性のある商標を見つけることができるため、費用と時間の節約につながります。
ただし、「AI商標登録性判断術」はあくまで予備調査であり、専門家が行う調査と比べると、どうしても劣る部分がありますので、「商標登録になるかどうか正確に知りたい」という場合は、特許事務所に聞いていただくか、私でよければ、いつでも気軽にお問い合わせフォームよりご連絡ください。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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